FC2ブログ
今はほとんど指さない将棋ファンです。角換りを中心に思うところを書いていきたいと思います。

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『男のふだん着物』(鴨志田直樹/著・河出書房新社)
以前から着物を着たいと考えている。京都在住だから和装の店には事欠かないが,いかんせん敷居が高い。シロートがいきなり入っていっても足元を見られそうで,今まで暖簾をくぐる勇気が出なかった。


しかし,この本ではもっと気軽で自由な着こなしを提案してくれているので,私のように「着物は着たいが,店に行くにはちょっと・・・」と逡巡している者に勇気を与えてくれる。


例えば,「襦袢の代わりにセーターやスタンドカラーシャツを」というアドバイス。


着物初心者にとって襦袢ってのは,かなりハードルが高い(ような気がする)。着方はもちろん,汗をかいた際の手入れや洗濯などを考えると気が重くなるのだが,この本では,「黒や紺のTシャツに色の濃い着物を合わせると,ちょっと職人風に見える」とか「白のスタンドカラーシャツを襦袢代わりに着用し,袴と合わせるとちょっと書生風になってカッコいい」だとか,とっつきやすい着くずしアイデアが提案されていて,ちょっと安心する。


もちろん,変化球だけではなくて,着物の着方やたたみ方,帯の結び方や,着物の買い方,NOと言える呉服屋との付き合い方,古着屋やネット上で着物を買う方法など,実用的な情報が網羅されていて,お買い得。


A6版・128Pと薄くて手ごろな大きさ,写真もいっぱい載っているから,昼食時に喫茶店へ持って行って流し読みするだけでも楽しめそう。


さて,と,着物デビューはいつにしようかな?



男のふだん着物男のふだん着物
(2000/04/16)
鴨志田 直樹

商品詳細を見る





スポンサーサイト

『亜玖夢博士の経済入門』(橘 玲/著・文藝春秋)
新宿・歌舞伎町の風俗ビルの一角に亜玖夢博士の研究所はある。そこには,せっぱつまった男(時には女性)が,どうにもならない窮状を解決してもらおうと,一縷の望みを抱いてやって来る。


亜玖夢三太郎(あくむみたろう)博士は,海外の著名な大学で数々の学位を取得後,古今東西の万物の書物を読破し哲学・政治経済学から数学・物理学・生物学に至る諸般の学問に精通している,というとてつもない人物である。


相談者に対して,亜玖夢博士は時には経済学,またあるときは社会心理学の理論,そしてついにはゲーデルの不完全性定理まで使って解決策を伝授する。それぞれの理論は,いんちきでも何でもなく,(簡略化されてはいるが)まともなものである。しかし,その一見完璧な理屈に沿った解決策で相談者が救われるかというと,なかなかそうはいかない。それどころか時として「悪夢」を見てしまうハメに・・・。


一種変わった連作短編集である。分類としてはブラックユーモアと言えなくもないが,経済学などの理論を一般にも分かりやすい形で料理した小説とも言える。ネタになっているそれぞれの理論も,噛み砕いて説明してあるから読み進めるのに支障にならない。(ただ,最後のゲーデルの不完全性定理だけはちょっと分かりづらいが,これはもともと難しいので仕方がないかな)


ただ,なんとなくしっくりこないのは何故だろう?文体の軽さと,学問の理論を分かりやすく説明するという著者の目論見のブレンド具合がいまひとつなのかも知れない。しかし,あまり誰も考え付かなかったアプローチを用いた意欲作であることは間違いない。



亜玖夢博士の経済入門亜玖夢博士の経済入門
(2007/11/28)
橘 玲

商品詳細を見る

書評ブログ。
「書評ブログ」で検索をかけると,「本ブログ村 人気ランキング」ってのが1番上にひっかかってきた。


そのサイトでは数々の書評ブログが紹介されており,一種壮観なのだが,その中でも1位にランキングされているのはキアさんが書いている「活字中毒日記」である。


何とこの方,毎日1冊分の書評を書いておられる。す,凄い。1日1冊読むことはできても(暇さえあれば,私だって1日1冊は読める?ただ実際にはそんな時間はないのだが・・・),毎日1冊分の書評はなかなか書けない。


小説中心ではあるが,特定の作家に偏ることなく幅広くカバーしているし,肝心のレビューも分かりやすいので,参考になる。


私もせめて2~3日に1冊くらいは紹介したいが・・・夢のまた夢か??

『文章のみがき方』(辰濃和男/著・岩波新書)
こういうブログを書いていると,自分自身の言葉を伝える技術の拙さに愕然とすることがある。その自覚があるから,書店で「文章の書き方」などの本を見かけるとすぐに買ってしまうのだが,その手の本を何冊熟読したとしても,自分の思いを過不足なく伝えていくことは難しい。


この本では,文章を書く際の心得のようなものが簡潔にまとめてある。

1つ1つの項目は,例えば「辞書をてもとにおく」,「正直に飾りけなく書く」,「借りものでない言葉で書く」,「異質なものを結びつける」,「自慢話は書かない」,「ゆとりをもつ」,「抑える」,「削る」,「いやな言葉は使わない」,「そっけなさを考える」,「低い視線で書く」,「自分と向き合う」,「渾身の力で取り組む」・・・などとどれもすぐにできそうなことだが,自覚していたとしても実際にはなかなかできないことばかりである。


基本を大切に,謙虚な気持ちで書く。未熟な私にはとりあえずこのことから始めるしかない,と心して書いていくしかないのだろう。





文章のみがき方 (岩波新書 新赤版 1095)文章のみがき方 (岩波新書 新赤版 1095)
(2007/10)
辰濃 和男

商品詳細を見る

『世界に誇る日本の建造物 現代日本を創ったビッグプロジェクト』
最近,『工場萌え』や『恋する水門ーFLOODGATES』,『ダム』,『東京鉄塔』などといった,およそ写真集のモチーフとして考えられなかったものを対象にした本が多く出版されるようになった。


上記の“マニア”本と比べると,この本は社会の教科書的でどちらかというとおとなしい(?)かもしれないが,それでも橋やダム,トンネル,水門などの写真が一挙に掲載されているのを見るのは面白くてついつい見入ってしまった。


個人的な趣味としては,ダムや水門には“萌え”ないが,橋は色々な種類があって面白い。特に形が美しいアーチ橋が気に入った。熊本県山都町の通潤橋,群馬県安中市の碓氷第三橋梁,福岡県赤村の内田川橋梁など,どれも独特のフォルムで味がある。(そういえば南禅寺の水路閣もアーチ橋だ)


巻末には,それぞれの建造物の所在が分かる地図がついているのも教科書的か。


[なるほど知図帳] 世界に誇る日本の建造物~現代日本を創ったビッグプロジェクト (なるほど知図帳)[なるほど知図帳] 世界に誇る日本の建造物~現代日本を創ったビッグプロジェクト (なるほど知図帳)
(2007/10/12)
西山 芳一

商品詳細を見る







*ちなみに『工場萌え』は↓

工場萌え工場萌え
(2007/03)
大山 顕

商品詳細を見る

『使ってみたい武士の日本語』(野火迅・著/草思社)
『使ってみたい武士の日本語』(野火迅・著/草思社)ISBN978-4-7942-1636-6


時代小説を読んでいると,時々日頃耳にしない言い回しが出てくる。しかし,なんとなく自分で分かった気になって読み飛ばしていってもストーリーはわかるのでいちいちその言葉を調べたりはしない人がほとんどではないだろうか。


この本では,江戸時代には当たり前のように使われていたが,今では,時代小説や時代劇などでしか耳にすることのない言葉を紹介し,分かりやすく解説している。


面白いと思ったものをいくつかあげてみる。


「いかさま」
・・・イカサマ師のことではない。「なるほどな」の意を表すとき,武士は「いかさま,な」の決まり文句を吐く。
例:「なれど平助は,一橋家の控屋敷の者どもと,ひそかに連絡(つなぎ)をつけておりましたこと,明白です」
「いかさま,な」
(池波正太郎「御老中毒殺」『剣客商売』新潮文庫)


「過ごされよ」
・・・酒席において「パーっといきましょう」という意味。この「過ごす」は「度を過ごす」の意。客人や目上の者には「過ごされよ」と丁寧にいい,気が置けない友人には「過ごせ」とざっくばらんに言った。今度プライベートで使ってみようか,と思わせるくらい,なんともいい気持ち良い言葉だ。


「これはしたり」
・・・「これは驚いた」
「したり!」と叫べば「やったぞ!」という快哉の声となるが,「これはしたり」と決まり文句となると「しまった」「やりそこなった」の意味となる。また,「これは驚いた。やりそこなった」の意にも使う。
例:「これはしたり」
 森は千坂に膝を向け変えた。森の顔からは微笑が消えて,指すような視線が千坂に当てられている。
(藤沢周平「幻にあらず」『逆軍の旗』文春文庫)


と,このように何とも味わい深い。昔の言い回しには,現在の日本語にはない,言葉の持つ含みや繊細さが感じられる。この本で紹介されている言い回しをいくつか覚えて,機会があればいつか実際に使ってみたい。


*1月10日のエントリーでも書いたが,この本を出している草思社は,民事再生法を申請し,事実上倒産した。なんとか再建して,また面白い本を出版してほしいものだが・・・。




使ってみたい武士の日本語使ってみたい武士の日本語
(2007/09/22)
野火 迅

商品詳細を見る

第138回芥川賞・直木賞決まる。
第138回の芥川賞・直木賞が決まった。


芥川賞は川上未映子(みえこ)氏の「乳と卵(らん)」,直木賞は桜庭一樹氏の「私の男」が選ばれた。両賞とも女性作家が受賞。


私の男私の男
(2007/10)
桜庭 一樹

商品詳細を見る




ソース:時事通信


直木賞の候補作の中では,佐々木譲の「警官の血」かと思ったが。。桜庭一樹の作品は「赤朽葉家の伝説」を読みかけたけど途中で挫折した。文体が今ひとつ好みじゃないんだよなぁ。この際,続きをまたよんでみるか

「このマンガがすごい!」2008
宝島社が出している「このマンガがすごい!」の2008年版を読んでみた。


2007年の総合ランキングベスト10は,
<オトコ編>
1 ハチワンダイバー(柴田ヨクサル) 141P
2 へうげもの(山田芳裕)        66P
3 よつばと!(あずまきよひこ)     64P
4 シグルイ(山田貴由)         62P
5 おおきく振りかぶって(ひぐちアサ) 51P
6 GIANT KILLING(綱本将也/作・ツジトモ/画) 50P
7 極道めし(土山しげる/作・大西祥平/協力)   47P
7 レッド(山本直樹)           47P
9 鈴木先生(武富健治)         45P
10 海獣の子供(五十嵐大介)     41P


この内読んだことのないのは,3位・10位の2作品だった。
ハチワンダイバーが将棋ファンでない一般の読者にも受け入れられたのは意外。(余談だが,みんな何故「ハチイチダイバー」もしくは,「エイティワンダイバー」でないのか気にならないのだろうか?)


ハチワンダイバー 2 (2) (ヤングジャンプコミックス)ハチワンダイバー 2 (2) (ヤングジャンプコミックス)
(2007/03/19)
柴田 ヨクサル

商品詳細を見る




個人的には「シグルイ」の迫力が一番。「レッド」も気になる作品。10位以下では12位にランクされた「チェーザレ 破壊の創造者」(総領冬美)を推す。13位,岩明均の「ヒストリエ」も読んだことはないが,面白そう。


<オンナ編>
1 君に届け(椎名軽穂)           160P
2 海街daiariy1 蝉時雨のやむ頃(吉田秋生) 153P
3 オトメン(乙男)(菅野文)         90P
4 フラワー・オブ・ライフ(よしながふみ)  87P
5 うさぎドロップ(宇仁田ゆみ)       73P
6 GENTE ~リストランテの人々(オノ・ナツメ) 67P
7 Real Clothes(槇村さとる)       60P
8 eensy-weensyモンスター(津田雅美) 55P
9 高校デビュー(河原和音)         52P
10 光の海(小玉ユキ)             50P


さすがにこっちは,2位の「海街・・・」しか読んだことがない。名前を知っている作家も2・4・6・7のみ。13位にランキングされていた「舞姫 テレプシコーラ」(山岸凉子)は雑誌「ダヴィンチ」で連載されているのを読んでいたのだが,あの衝撃的な展開には驚かされた。



舞姫(テレプシコーラ) 7 (7) (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)舞姫(テレプシコーラ) 7 (7) (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
(2005/03/23)
山岸 凉子

商品詳細を見る



ま,ランキング上位に入ったからといって,読みたいとは限らない。B級といわれながらも,B級マンガを追求し続けている週刊漫画ゴラク系のマンガは結構面白いし,オンナ編でも,これからは腐女子系やBL系もランキング入りしてくるのではないだろうか。

中堅出版社の草思社が倒産。
今朝のニュースで中堅出版社の草思社が民事再生法を申請,事実上倒産したことを知る。


参考;読売オンライン毎日jp


草思社といえば,F・アルベローニ著「他人をほめる人、けなす人」やポール・ケネディ著「大国の興亡」などのユニークな本を出していて,個人的にもお気に入りの出版社のひとつだっただけに,非常に残念。


倒産の理由については,「雑誌も文庫も持たず、単行本のみの特異な業態で、出版不況の波をまともにかぶった」(草思社編集部)らしいが,今は雑誌も文庫もあまり売れない時代。たとえ雑誌部門があったとしても出版社としては厳しかったのかもしれない。


ともあれ,この本が売れない時代に,出版社が生き残っていくのは並大抵のことではない。一人の本好きとして,考えさせられたニュースだった。
Copyright © kuroumaの将棋ブログ。 ~角換りを中心に. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。